川内市防火管理協会の発足
1972年(昭和47年)5月13日、大阪市の千日デパートビルの3階婦人服売場付近から出火し、大量の衣料品が焼損したため、濃煙がたちまち7階まで充満し、死者118名、負傷者81名を出す、戦後最大の大惨事となった。
この火災は、防火管理体制が十分に機能していなかったため、火災初期における避難措置がとれなかったこと、避難器具を適切に使用できなかったことなどが、被害拡大の要因といわれている。
また、翌73年(昭和48年)11月29日、熊本市大洋デパートでも火災が発生し、死者103名、負傷者121名を出した。
相次ぐ大惨事は大きな社会問題となった。
これを契機に、改正法令が進み、遡及制度の確立等が図られることになる。
川内市消防本部は、相次ぐ事故の大きさを深刻に受け止め、法令改正の徹底を図るため、防火管理に関する組織を結成することとした。
1976年(昭和51年)6月、「川内市防火管理協会」の発足に向け、その趣意書を作り、市内の防火対象物の管理者等に配布した。その内容は次のとおりである。
趣意書
最近の生活や建築様式が急激に変化し、それに伴い災害の状況も著しく複雑困難なものとなり、特に死者を多数出すものが激増してきた。従って、これに対応して消防法の改正が相次ぎ消防設備の強化と防火管理制度が強調され、防火管理の責任はますます重大となり、その業務の内容も複雑化してきた。
ついては、このような状況に対処し、各事業者等の防火管理者が、その防火対象物の実態に即した防火管理業務の万全を期するためには、消防機関と絶えず連携を図りながら相互に協力、研修しあっていく横の組織がぜひ必要である。
県内の鹿児島、鹿屋、出水、串木野等の各市はすでにこの組織を結成され、非常に大きな成果をあげている。そこで本市においても、この組織を早急に結成することとし、ご協力いただきますようお願いします。
発起人
川内市医師会長 | 高江正純 |
大和ショッピングセンター | 藤井計輔 |
川内山形屋店長 | 隈元豊治 |
川内市旅館組合長 | 内田文男 |
中越パルプ川内工場長 | 宮城嘉太 |
京都セラミック川内工場長 | 稲盛利則 |
川内温泉旅館組合長 | 田中正利 |
川内飲食店組合長 | 橋口直進 |
若草劇場 | 有村 平 |
太平会館長 | 米沢 実 |
市保育園連合会長 | 石神国道 |
新田神社宮司 | 種子田 実 |
大洋商事 | 渡部 薫 |
川内市長 | 福壽十喜 |
その趣旨に賛同した事業所が集まり、川内市防火管理協会は、正会員158事業所、賛助会員4事業所で、1976年(昭和51年)7月16日にスタートした。
その後、川内市防火管理協会では、2000年(平成12年)に組織の拡大を図り、3町4村を含めた川内地区防火管理協会を発足し、また、平成の市町村合併後の平成17年に現在の「薩摩川内市防火管理協会」へと改称した。
福山会長あいさつ

薩摩川内市防火管理協会長の福山でございます。
令和4年度のスタート、また、本協会のホームページ公開ということで、一言、御挨拶させていただきます。
改めまして、日頃より、本協会の運営や各種事業等に多大なる御理解、御協力を賜り心から感謝申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の影響が残る中、令和4年度がスタートとなり、本来なら定期総会を開催し、予算及び決算並びに事業計画を議決しなければなりませんが、会員の皆様の健康や安全面等を考慮して、今年度も定期総会を中止し、令和3年度の決算や令和4年度の事業計画案、予算案につきまして、4月に実施しました役員会で承認をいただきました。
また、今年度は役員の改選期にありましたが、前期に引き続き会長の職を拝命させていただきことになりました。このような状況下ではありますが、会員各位の御理解、御協力をお願いいたします。
さて、本協会は、昭和47年5月、死者118名、負傷者81名を出し、大惨事となった大阪市の千日デパート火災を受け、防火管理体制の重要性、消防用設備等の維持管理、また、消防機関との連携が必要不可欠であると、昭和51年7月に「川内市防火管理協会」として誕生しました。
発足当時は162事業所でしたが、平成12年には組織の拡大を図り、また、平成16年の市町村合併を経て、現在の367事業所までになりました。※令和4年4月現在
年度計画では、本協会の目的達成のため、防火管理者の育成及び消防思想の普及高揚に関する事業や研修会、講習会等を実施しています。
また近年、国内では、地震や豪雨による土砂災害等が多く発生しており、災害から自分の命を守るためには、幼児期からの防災教育が重要であると、幼年消防クラブ員を対象に補助事業も行っております。
長引く新型コロナウイルス感染症の影響により、各事業の中止が相次いでいますが、一日も早く、コロナ禍前の日常を取り戻せるよう深く願いつつ、引き続き感染防止対策を徹底し、またこのホームページを有効活用しながら各事業を展開してまいりますので、会員各位の御協力を引き続きよろしくお願いいたします。
最後に、本協会の目的達成と、会員各位のさらなる御健勝と御活躍、薩摩川内市防火管理協会の益々の発展を御祈念申し上げ、会長の挨拶といたします。
薩摩川内市防火管理協会
会長 福山 大作
令和4年4月吉